自立支援
見守り介助
直接手を出して介助はしないけどそばにいて暖かい眼差しを送りつつ見守る、 それが見守り介助の本質になります。 たとえばひとりでスーツに着替えることはできそうだけど、無事完了させることが 可能なのか不安がある場合にはそばで待機していつでも手伝えるようにスタンバイ することがこれに該当します。 いざという時に備えてくれているので安心感があり、おかげでのびのびと着用に 挑むことができるから好奇心や充実感も受けられる、なかなかいいアイデアの 詰まった介助方法でしょう。 最初から頼っていては自立することから遠ざかってしまいますし、自分で挑戦 することに大きな意味があるのです。 一度介護が必要になってもこうしたトレーニングっぽいことを繰り返すことで、 多少はお体の状態も良い方向へと回復するかもしれませんし、なにより前向きな 思考をしてもらえば明日への活力も滾ってくるでしょう。 お洋服を着ることだけでなく夕御飯作りでも有効な介助です。 マグロを切り身ではなくそのまま買って来て家のキッチンで捌く、のはさすがに 難易度が高すぎですが、サラダやグラタンを作ること位ならその様子を見守って 応援する、時には手伝って一緒にゴハンを作るのもいい刺激になるでしょう。 また危険が迫っていると判断したら速やかに助け舟をさりげなく出すことも重要で、 本当に見守るだけでは意味が半分ほどしかありません。
相談とアドバイス
専門学校などで介護初任者研修を学んだ人、ヘルパー2級を持っているようなプロ の介護職員には関係者から相談を受け付ける資格があると思われています。 この分野に興味がある程度の人では知りえない情報を持っていると尊敬の念を 抱かれることもあり、頼りにされる機会も頻繁にあるでしょう。 もちろんそれに応じるのも立派なお仕事で、博学でしかも深い専門知識も備えて いることを証明してさしあげるべきです。 対象者は自分が担当している人だけではなく、介護を受けている方のご家族も 多いようですので、そちらからされそうな相談にも答えを見つけられるように 常日頃から勉学に励みましょう。 要介護の方が様々な不安や悩みを抱えているのと同様に、その親族も苦しい思いを しているケースはとても多いのです。 自宅でお世話をしている場合だとその可能性は一気に跳ね上がり、同居人は介護を 受ける人と同じかそれ以上に辛い悩みを多数持っているのです。 いくら身内でも介護の専門知識がないのでうまくやっていけるのか心配になったり、 バリアフリー化するためにリフォームを検討していたり、負担が大きくなって 手に負えなく悩んでいる、そんなご家族から相談されるのもヘルパーの宿命です。 何年もの実務経験を積んでいる熟練者でなくても介護施設の職員なら相談相手 として頼りにされる立場になるので、勤続年数に関係なくそうした問題に対する アドバイスを求められることになるでしょう。
社会活動支援
自宅で介護を受けている方はあまり外出もできないため、外界から隔離された環境 に閉じ込められているかのように孤立してしまうことも多いです。 近所付き合いも少なく家の中でラジオを聴いて一日を過ごす、そんな生活をずっと 繰り返しているので毎日に張り合いもなく次第に笑顔を見せてくれなくなります。 ラジオを聴くだけでなくテレビを観たり漫画でも読めばまだ刺激的な生活へと なるのでしょうが、趣味のない人ほど単調な味気ない余生を送ることになり、 不自由な身体がそれに拍車をかけます。 それをなんとかしよう、孤独な夜を吹き飛ばそうというのが社会活動支援で、 近所付き合いの手助けをしたりその地域の社会活動についての情報を伝えて参加 を促すことでロンリーハートを癒してもらおうというわけです。 活動に参加することで社会の一員であると自覚してもらい、そこに生きがいを 見出してくれれば明るい未来を取り戻すことにもなります。 足が不自由だからと自宅から一歩も外に出ない生活では気が滅入ってしまい、 頑固な性格になったり愚痴っぽい老人になって生きる目的さえ見失ってしまいます。 趣味を持っていたり友人に囲まれているなら問題ありませんが、そうでなければ 昼間に暇すぎて良からぬ考えをせぬように社会活動やサークルに参加するよう、 興味を持ちそうな情報を提供して差し上げます。 ただ生存しつづけるだけが目的になっては人生も面白くありませんからね。