身体介護
起床時には
介護される方も人間の尊厳がありますので身だしなみには気を使います。 なので朝には起床のお手伝いをすると同時にそうしたことも求められるのです。 パジャマから普段着のジーパンに着替えたり、外出するならワンピースやネクタイ を着用するお手伝いをするのも身体介護に含まれます。 日中はずっとパジャマで生活する人なら着替えもそう頻繁に行わなくてもいいかと 思われますが、生活に刺激を与えて明るい表情になってもらうには昼間はパジャマ から着替えて日の当たる場所で行動するのが望ましいでしょう。 施設の職員としては着替えのお手伝いをしなくてもいいならその分作業が減って 仕事は楽になるでしょうが、入居者のことを考えると日課として組み込んだほうが 生活にハリが出て楽しい毎日になってもらえそうですし、めんどくさいという理由 で拒むのはお互いにやめておきましょう。 それだとまだ身体は動くのに寝たきりになってしまった気分に浸られてしまい、 精気が失われていく速度が上昇することになりそうです。 施設内で他の入居者と楽しく過ごしてもらえるよう、オシャレであるように促して その手助けを省くような言動は慎みましょう。 着替えだけでなく洗顔や髪の毛のセット、爪切りなども必要とあらば介助して、 みんなが明るい表情で過ごせるように努力を惜しんではいけません。 ただし介入しすぎてもよくなく、自分でやれることは本人の力でするのがベスト なのも忘れてはなりません。 全部他人任せになるとそれはそれで気力が失われてしまいますからね。
就寝時には
早朝の小鳥のさえずりで目を覚ましたらパジャマを脱ぎさって軽装に着替えますが、 カラスも鳴きやんで静寂に包まれる深夜22時にもなると今度は就寝に備えて パジャマで全身を包み、おやすみなさいの時間を待つことになります。 自分でなんでもできる、着替えもひとりでできるって人ならその静かで心休まる 時間を、一日を振り返りながら読書をしつつ、テレビのニュース番組を横目で 観ながらお茶でも飲んで過ごす事になるのでしょう。 でもひとりではズボンを脱げない、シャツのボタンを外せない、左脚の靴下だけは 届かないから自力では脱ぎにくい、そんな人は就寝前のリラックスタイムに突入 する前にヘルパーの力を借りることになります。 ガウンを羽織ることくらいはできるとしてもその前に着ていた洋服を脱衣するのは 意外と手こずる人も多いので、お手伝いを希望する方はどこの施設内にもきっと たくさんいらっしゃるかと予想されます。 そしてただ着れればよいのではなく、着こなし方にも拘りを持っているというか それまでの習慣通りでないと寝つきが悪いと訴える方もおり、靴下を着用させて くれと言われて驚く新人ヘルパーもいるようです。 寝具の着替え以外にも睡眠前には歯磨きの介助もありますが、こちらはそんなに 身体が不自由でなければ自分の力で磨けるのでお手伝いするのは少数かもしれません。 付き添いをしてあげるだけでオッケー、という方も多いでしょう。
移動・移乗介助
室内の徒歩での移動やベッドから車椅子への移乗、歩行器への移乗をお手伝いする のも頼れるヘルパーのお仕事になります。 足腰がしっかりしているうちは自力で歩行してのお散歩にも不自由しませんが、 脚力が衰えてくると2本の足で体重を支えることが辛くなってきます。 ぽっちゃりしていたり肥満体形だったり前世が関取だったりはあまり関係なく、 標準体重でも松葉杖を使わないと安心して歩行できないという人もいれば、車椅子 よりも軽い体重だけどすっかり頼りっきりになっているという人もおりますし、 老化が原因で室内や廊下を自力歩行することが困難な方は施設内にも何人かいます。 そうした方が怪我をせず目的地まで到達できるよう支えてあげたり励ましたり、 車椅子に乗り移るお手伝いをしてあげるのは誰か、それはヘルパーでしょう。 自宅なら家族の皆さんがお手伝いしてくれるでしょうが、車椅子がなければ移動 できないほどの要介護人だと施設に入居している割合の方が高そうです。 自分で移動できるかどうかは結構大きな境目になりますが、手助けを受けても車椅子 を使うことが困難になるとほぼ寝たきりの状態になってしまうので、介助があれば 移動ができるくらいには身体の調子をキープしたいことろです。 また屋内だけでなくショッピングや大会出場、観戦のため外出するときも安全に 往復できるようにお手伝いします。 行きは体力も満タンで余裕かと思いきや帰り道はヘトヘトでまっすぐ歩けない、 そんなこともあるので油断は許されません。