介護の仕事
入浴介助
介護といってまず頭をよぎるシーンは、お風呂に入るお手伝いをしている姿だという 人は多いのではないでしょうか。 自力では浴槽に入れない人、洗髪をすることが困難な人、背中を流せない人の 入浴介助することは介護職の重大任務で、この業界を目指して日々鍛錬を積んでいる 人なら誰しも憧れるお仕事でしょう。 自宅で行うか施設で行うかによって環境もかわるためいくつものパターンがあり、 また全身入浴か手浴・足浴でも分類されるので学ぶことは山ほどあります。 自宅ならば介護される方の所有するバスルームで行いますが、養護施設なら設備も 整っているためスムーズに行えるかもしれません。 ですが相当の力仕事ですので仕事の合間を縫って腕立て伏せや腹筋のトレーニング を欠かさないよう努力しないと、この業務を満足に遂行するのは大変でしょう。 バリアフリーで介助しやすくなっているとはいえバスルームは滑りやすいですし、 着替えのお手伝いもなかなかの重労働です。 健康ならば自分で簡単にできることでも、助けを必要とする人を入浴させるのは とっても困難で気を使う点も多く、快適なバスタイムを過ごしてもらうためには サポートしなければならない事項がいくつもあります。 バスタブに入っての入浴自体が困難な場合は身体を拭く清拭(せいしき)になり ますが、こちらも全身を使っての肉体労働で特に腕力が必要になりますし、 精神的にも強靭な人でなければ務まりません。
食事介助
ひとりでは食事の動作もうまくできない人の介助をするのが食事介助です。 箸やスプーン、フォークで食べ物を口元まで運んだりしますが、何を運ぶのかは その日のメニューによって異なります。 施設内でのお食事なら介助しやすいものを中心に献立が決まっているでしょうが、 自宅での場合はその方の好みが反映された献立になることも多く、様々な料理を 食べるお手伝いを任されることになるでしょう。 噛む力、消火する能力さえあればリクエストされた好物を食べて頂くのが食欲増進 にもなりますし多くの喜びを感じてもらえるので、可能な限り応えるべきだと 言いたいですが介助がしにくいメニューだとちょっと複雑な心境になってしまいます。 普通のソウメンではなく流しソウメンが食べたい、と仰る要介護の方がけっこういる そうなのですが、味はソウメンと同じでも昔の思い出が詰まっている流しソウメン をどうしても食べたい、とかの理由がきっとあるのでしょう。 食事とはただ栄養を摂取するだけのものではありませんので、楽しい雰囲気や 懐かしい味をスパイスにしてのランチタイムは、いい刺激にもなり生きる喜びを ソウメンと共に噛み締めてもらえるので、できるだけ希望を叶えてあげたいです。 食いしん坊でなくてもお年寄りの中には食事だけが楽しみ、という方も多いので、 介助を必要とするようになっても精一杯愉快な食事をしてもらえるよう、ヘルパー の皆さんも頑張ってまいりましょう。。
排泄介助
これも介護職の方がやるべき重要なお仕事で、それ以外の人では満足な仕事がきっと できないと思われる筆頭候補でもある排泄介助です。 簡単なものだとトイレまでの移動を手助けする程度で大丈夫な人もいますが、 排泄動作の介助を必要とする人、オムツ交換を求める人などかなり広い範囲をカバー しなければならないので、実務経験を積むにも一通り経験したければ何人もの方を 介護しないと習得できないでしょう。 そこそこ健康な方ならトイレまで付き添うだけで問題ありませんが、衣服を脱いだり 着たりするのが困難ならそのお手伝いもすることになりますし、排泄後の始末を 任されることも珍しくはありません。 トイレまでの付き添いとは不可解と感じる人もいそうですが、そこまでの移動が 出来ない人もいますし、バリアフリーではない自宅だと距離は短くても段差が多く 自力で行くのは危険なケースもあるのです。 施設のトイレなら安全な設計がされているでしょうが、お年寄りの1人暮らしだと 古い住宅も多いのでトイレに到着するだけでも苦労する環境の方もいるのです。 そんな方だと場合によってはポータブルトイレを近くに設置することもありますし、 オムツを着用することに決める方もいらっしゃいます。 各人頻度も異なるうえデリケートな内容ですので、たとえ身内でも訓練を受けて いない素人にやってもらうのは大変かと存じます。